LA28に向けて新旧交代は進むのか。ワールドトライアスロンパラシリーズ2026横浜

ParaTriathlon
喜びをジャンプで表現するアンカンカン(PTS4/FRA)

2026年5月16日(横浜)、山下公園を中心に14回目の横浜での開催となるワールドトライアスロンパラシリーズ(2026/横浜)が朝の6:50のPTS5男子のレースを皮切りに男女合わせて12レースで開催された。今年は去年の66名から増えて80名の選手が山下公園を中心にスイム0.75km/バイク20km/ラン5kmで競いあった。去年の雨のレースからは一転しての快晴、多くの観客を集めてのレースとなった。

筆者の注目選手は女子の視覚障害、PTVI女子(Para Triathlon Visual Impairedの略)世界選手権2025でロドリゲス(ESP)、タランテッロ(ITA)という現在のランキング1、2位を抑えて2位となったサンデルス(AUS)。それにブラインドサッカー日本代表の竹内真子。横浜初参加となる現在PTS3男子のランキング1位のユランド(GBR)。

スタート前に何を語るか。アンカンカン(左)とデ・パーパ(右)

2人のフランス語話者、PTS4男子の絶対的王者アンカンコン(FRA)、そしてPTS2で去年初めて横浜に参戦し優勝、現在世界ランク1のデ・パーパ(BEL)だ。ワンオペで撮影、インタビューをこなすParaSportsTimesがどこまでカバーできたか。何か少しでも新しい発見があったか。

 

PTS4男子 強いアンカンカン、スイムから先頭にたちぶっちぎりで8連勝

後続が全く見えないアンカンカンのラン

PTS4(Para Triathlon Standing)4(下肢欠損)クラスは「日本が第二の故郷」と語るアンカンカン、いつもの通りスイムで後続に2分以上の差をつけ、さらにランでもクラス最速で2位に2分46秒差の圧巻のレース展開で優勝した。勝ち続けるモチベーションを聞くと「負けず嫌い、負けるのは好きではない。勝つためにトレーニングを毎日積んでいる」と一言。ただ、次の目標は?と聞くと「最後の目標はLAパラリンピックでの金メダル」と去年は口にしなかった「最後」という言葉を発した。「どういう意味?」と確認すると筆者に白髪を見せながら「俺も年齢を重ねた。LA28が最後だ」と引退を示唆。現在40歳。LA28の時は42歳。「来年も横浜に来る」と語ったが残り2年彼がどういった成績を残すのか、引き続き追いかけたい。

PTVI 女子はヘルミーズ(USA)がWorld Series初優勝。竹内は健闘するも5位

フィニッシュテープを掲げるヘルミーズとガイドのサース

筆者が注目したサンドルズは実際のレースタイムではヘルミーズを1:03:30対1:03:56と26秒上回ったが、ヘルミーズのクラスはB1/全盲または光覚。それに対してサンドルズのクラスはB3/弱視となるため0:03:21遅れのスタートを挽回できず2位に終わった。これでヘルミーズはパラ水泳の世界選手権でも自由型で金メダルの経験がある選手。彼女にとって大きな結果となった。

ランセッションのサンドルズとガイドのスプレイグ。Series2連勝とはならず。

 

ランセッションの竹内真子(向かって右)とガイドの岩渕知乃。この組み合わせは今回初。とはいえ足並みはピッタリ。

ブラインドサッカー日本代表で先日のアジア選手権でゴールも決めた竹内真子は5位に終わった。初めて参加した去年10月のアジア選手権では0:06:34の差をつけられたグルナズ・ジュズバエヴァ(KAZ)との差は48秒と縮め進歩の跡を見せた。「苦手なスイムで6位(八人中)で上がれたのは練習の成果」と手応えを語った。ただ、「2種目続けて練習する時間が少し少なくちょっと疲労が来てしまった。すごい悔しいという感想で終われたので次のレースで今以上にタイムを縮めるよう頑張る」と総括した。「ブラサカよりトライアスロンに力を入れている」と語る彼女。二つの競技の違いを聞くと「ブラサカは体も使うが、すごい頭を使うチームスポーツ。トライアスロンは頭も使うが、自分との闘いというところで、トライアスロンを通じて自分を成長させたい。またブラサカの冷静に頭を使うところをトライアスロンに活かしたい」と二つの競技を行う効果を語った。LA28が目標と語る彼女。来年10月にブラサカの世界選手権が開催される。LA28の選考対象となるトライアスロンの世界選手権も例年通りなら10月に開催される。ちと早いが筆者としては双方で活躍する竹内の姿を見てみたいがどうだろう。

バイクセッションの竹内。この時間はランに備えて眼を瞑っていることが多いそうだ

PTS2男子は2年ぶりにバー(USA)が勝利、PTS3男子はユランドが横浜初勝利

左が優勝したバー。右が敗れたデ・パーパ。フィニッシュラインにて

ベルギー好きの筆者が推す世界ランク1位で去年のレースの覇者、デ・パーパは、24年横浜優勝のバーにランで逆転されて2位に終わった。バーはこれで横浜4勝目となった。

サイクリングからスポーツを始めたが今はトライアスロンでLA28を目指す

PTS3、左腕に障害のある初参加のユランドは、「想定よりきつかった」と語ったスイムで7位と出遅れるが「もうちょっと距離があるといいだが」と語った得意のバイクで一気にトップに躍り出てそのままゴールを切り初参加初優勝を飾った。横浜のレースの印象をきくと「強豪がしっかり準備して参加する非常にレベルの高い大会と感じた。2位から5位まで詰まったレースだった」と振り返る。現在は大学を卒業し、UK National Lottery(官営宝くじ)とUK Sport(英国スポーツ庁)の支援をうけてLA28でのメダルを目指して活動している。トライアスロンの魅力を聞くと「ともかく改善する点がいっぱいあり、ともかく毎日「カイゼン」していく感覚が好きなんだ」と経済学を専攻した学生らしく答えた。

日本勢は12名参加、3つのメダル

日本からは、木村潤平(PTWC/車いす)、宇田秀生(PTS4)、保田明日美(PTS2)が銅メダルを獲得した。

去年に引き続き3位の木村潤平(真ん中)、左は4位ロメール(ITA)、右は2位のノエル(FRA)

宇田秀生のバイク。22年以来の横浜での銅メダルを獲得

去年に続いて銅メダルの保田明日美

 

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