スポンサーは15から38へ。年間17のイベントを開催。その秘訣は何か?IAIパラスポーツパーク再訪

Blind Football
参加チーム、スポンサーの木村鋳造所の方との記念撮影

パラフットボール関係者にとって1月といえば、ロービジョンフットサル日本選手権。そしてこの静岡パラフットボールフェスティバルが頭に浮かぶのではないだろうか。今年は1月10日、11日、静岡市清水区に点在するサッカー施設、清水ナショナルトレーニングセンター(J-ステップ)、IAIスタジアム日本平、IAIパラスポーツパーク、エスパルスドリームフィールドにおいて開催された。今回は1月11日、IAIパラスポーツパークでのブラインドサッカー木村鋳造所カップを見学した。

 

IAIパラスポーツパークはIAIの正門のすぐ上に設置されている

 

最初に訪れたのは竣工式。次に訪れたのは1年前の2025年1月12日。今回で3度目だ。対戦カードは地元のFC コレチーボ静岡、スフィーダ世田谷BFC、たまハッサーズと同じメンバーが集まった。大きく違うのは大会の雰囲気、そしてスポンサーのエネルギーだ。

多目的エリアでは様々な競技を体験できる

 

まず目につくのがピッチを囲うフェンスに掲げられたスポンサーのロゴ。去年は片側がなんとか埋まっている程度だったが、今はびっしりと両サイドにスポンサー名が並ぶ。15あったバナーが38と倍以上になっている。

竣工時は真っ白だったが

こちらも新規追加の余地なし

運営を担当するNPO法人静岡FIDサッカー連盟の瀬戸脇正勝代表にまずスポンサー集めについて伺った。「(施設を提供した)IAIが知り合いの会社に声をかけてくださったり、新聞などをみて手をあげていただいたり。冠大会をやっているので大会が大会を呼ぶ形になっている。地域の会社が多い」と好循環をアピールする。

 

NPO法人静岡FIDサッカー連盟の瀬戸脇正勝代表。企画、運営、講師と休む隙なく動き回った

実際に今回の冠スポンサーである株式会社木村鋳造所 木村寿利代表取締役にきっかけを伺うと「IAIの石田徹社長の健常者と障害者が共に安全安心に生活できるような社会を作りたいという精神に非常に感銘を受け、私もそういったことにしっかりと取り組んでいきたいという考えになった」と返ってきた。「一企業のできることは限られているが、このように多くの会社が集まることによって大きく社会が動いていくのではないか、少しでも協力していきたい」と語った。今回は単にスポンサーとなるだけではなく自社の技術を活用して、トロフィーとメダルを製作提供していた。

キックインを行う株式会社木村鋳造所 木村寿利代表取締役

社員のアイディアが詰め込まれたトロフィー。点字も入っている。

2025年に開催したイベントは17回。映画上映会、ウォーキングフットボール体験会を除く15回のイベントはほとんどが冠大会。種目ではブラサカが4回、ロービジョンフットサルとアンプティーサッカーが2回、ほかCPサッカー、ID女子、ソーシャルサッカー、電動車いすサッカー、ジュニアパラサッカー、ボッチャ、車いすバスケットボールと合計10種類ものパラスポーツが取り上げられている。

演技を披露したチアのメンバー(後述)もブラサカにトライ!

様々な体験会も並行して実施され、観戦するだけではなく実際に試してみることもできる。今回は、目隠してゴールにボールを蹴るブラサカの体験会、ボッチャ、フライングディスクにミニロボサッカー、大道芸の体験会。更に大会スポンサーである木村鋳造所は、キーホルダーの製作体験を実施していた。マルシェとしてキッチンカーも5台に屋台が2店。スタンプラリーの参加者にはペットボトルのドリンクや豚汁が振る舞われる。家族が1日過ごして食事をする環境が整っている。

 

木村鋳造所が地域のイベントに出店して練り上げたキーホルダー作成体験。彼らの仕事の流れが理解できるように構成されている

様々な食事が楽しめるキッチンカー

集客には静岡市立の小学校、中学校、高等学校にチラシを配布している。「黙っているだけでは人は来ない。色々な工夫が必要。例えば今回、チアダンスチームCHEERS FACTORYに踊ってもらったけど、彼らもお客様。楽しんでもらっている」「来てもらって、見てもらって、それで一緒にやってもらうことを大切にしている」と瀬戸脇氏が力説する。300から400名がコンスタントに参加して「リピーターも増えてきて地域の拠点になる。そこに選手が一緒にいると、例えばブラインドの選手が歩いていると周りがすーっとよけたり、声をかけたり、街中に埋もれて見えなくなっている人たちが見えるようになりお互いに譲り合う、支え合うものが自然と生じてくる。そういったものを大事にしていきたい」と瀬戸脇氏は語った。このイベントの運営の費用はスポンサー料(大学初任給の手取りよりちょっと多い程度)で全て賄われている。IAIの社員も運営ボランティアとして10数名参加していた。

オープニングアクトは静岡大学混声合唱団による歌唱

試合は10分間プレイングタイムの前後半で行われた。試合結果は以下の通りで、たまハッサーズが優勝、スフィーダ世田谷BFCが2位、FCコレチーボ静岡が3位、合計5点をあげたたまハッサーズの黒田智成が最優秀選手に選ばれた。

第1試合 FCコレチーボ静岡 0-0 スフィーダ世田谷BFC(強風のため第1ピリオドのみ)

第2試合 スフィーダ世田谷BFC 1-2 たまハッサーズ

第3試合 たまハッサーズ 6-0 FCコレチーボ静岡

静岡対世田谷から

たま対世田谷 元日本代表の黒田智成(左)と女子代表強化指定の沢田由美子(右)の競い合い

静岡出身のたまの田中章仁は必ず参加。ハットトリックを決める

プレーに食い入るように見つめる少年サッカー選手

 

なお、瀬戸脇氏はこのように様々なパラスポーツを組み合わせたフェスティバルを日本各地で開催すべく奔走している。去年は沖縄にてブラサカの琉球Agachiと手動車いすサッカークラブとともにイベントを開催し、今年は1月12日山梨で開催され、3月に兵庫で予定されている。「継続が僕らの命。スポーツの種類を超えて選手同士が仲良くなることが大事。あまり知られていない団体が手を繋ぐことで大きくなれる」と今後の抱負を語った。

この静岡初の活動が広がっていき、健常、障害の垣根が取り払われていくことを期待する。

参加された木村鋳造所のみなさん。いい顔されています!

 

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