2年対20年、歴史の重みか最後までトルコの壁を崩せず。東京2025デフリンピック Day9

Deaf-Handball
ディフェンスの起点になった大西康陽。

11月23日、駒沢オリンピック公園屋内球技場では、ハンドボールの5位以下の順位決定戦と準決勝の計4試合が行われた。第1試合に登場した結成2年目の日本代表は、20年以上の歴史のあるトルコと予選ラウンド初戦についで再戦となった。後半だけなら16-15とトルコを上回ったものの、前後半合わせて25-30と惜敗した。もう一つの試合はブラジルが24-20でケニヤを下し、日本は25日10時より初勝利を目指してケニヤと戦う。
準決勝はクロアチアが36-18でセルビアを、ドイツは29-18でフランスを下し、決勝は25日19時からクロアチア対ドイツ、3位決定戦は16時からセルビア対フランスとなった。

ここぞという時に淡々に多彩な技でゴールを沈めた淺井啓太

トルコと2度目の対戦となった日本。オープニングゴールはトルコも、すぐに大西康陽(11)、淺井啓太(4)、大西が決めて3-1とリードする。ただ、ここからトルコが7点連取して3-8と日本を突き放す。この時間帯について大西は「体力、気持ちの問題があったかもしれない。シュートを失敗しなければ同点にいけたのに」と悔やむ。ディフェンスは「一人一人が前から当たれた」と齋亮人(9)が語った通り、積極さが目立った。しかし、逆転されたからはオフェンスのパスミスが目立ち攻めきれなかった。その流れを断ち切ったのは船越弘幸(8)。左からカットインでゴールを決め、そこから日本は息を吹き返すと、津村開(6)、齋、林遼哉(3)が得点し9-15で折り返した。

小柄ながらも日本の得点源として躍動する津村開

なかなか決めきれなかったと振り返った齋亮人

後半は、開始早々に船越がふわっと浮かせるボールでゴールを決め、常に日本が先行する展開に。中盤ではディフェンスで7mスローを何度も献上したが、それは選手が前へ前へと進んだ裏返しでもあった。その熱量に押され、会場から何度も自然発生的に、「ゴーゴーゴー」サインエールが巻き起こる。齋は「その声援が感じられて、本当に背中を押してもらった」と振り返る。

選手のプレーに触発され観客自らサインエールを送り、会場が盛り上がる

5点差、4点差と詰め寄るのだが、「攻めに注力する分、戻った時にディフェンスがばらけたところを、トルコの13番にタイミングよく突かれた」と亀井良和監督が語ったように要所を決められ、追いつけない。齋も「疲れもありミスが重なった」と悔やむ。「最後は走り勝とうと前を向いて戦い抜いたことは次につながると思う」と語った。

今日は7mスロー含めて8得点と大車輪の活躍の林遼哉

何度なく日本の盛り上がりに水をかけたトルコ13番SAHIN Efe

試合後のインタビューでも、大西は「最後の試合もディフェンスもそうですけど、あの、次はオフェンスの方もしっかりと点を決めていきたい」と語った。齋は「本当にこういうたくさんの応援がいただけるおかげで、我々も諦めず最後まで戦えるので、引き続き最後まで応援いただけたらと思います。最後こそは、勝利で終われるように頑張ります」と話す。好セーブを連発したGKの水嶋貴一(1)は「絶対に次の試合は歴史的な初勝利できるように頑張りたい」と力を込めた。

何度も相手のシュートをブロックした水嶋貴一(緑)

亀井監督は「なかなか届きそうで届かない一勝、初の一勝というものがとうとう最後のチャンスになったが、私たちからすると機は熟したというか、積み重ねてきて、一試合として停滞したり下がったりというゲームがないことが我々の今の誇りです。ですから、最後のゲームも期待して見ていただければと思います」と締め括った。

亀井良和監督(左)と坂本州(10)。1点を決めたあとで。坂本はもっとできる

ケニアはこれまで対戦したヨーロッパの選手と違い手足が長い選手が多い。ただ、個人の力に依存している印象もあらるため、今日のようにしっかり、恐れず前に前にすすめば必ず勝機がやってくるとはずだ。恐れず、最後まで走り切って勝利をつかんで欲しい。11月25日10時から最後の試合、ぜひ会場で初勝利を目撃しよう。職場からは公式Youtubeで!コメントは選手に確実に届いている。

ケニア、5番のKIILU Muasaには要注意。おくすることなく当たって欲しい

最後の粘りは本物だ。次こそは勝利を!

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