11月17日のブラジル戦を24-27の僅差で落としたデフハンドボール日本代表。1日空けて迎えた11月19日、予選ラウンド最終戦の相手はワールドランキング2位で既に2勝を上げている強豪ドイツだった。
日本はこれまでの2試合でチームトップタイの10得点を上げている小林優太(背番号2、以下同じ)を欠く布陣。ゲームキャプテンの齋亮太(9)がチームを鼓舞牽引した。ドイツは2m近い身長のVincent UBENをはじめ、腕を広げられるとコースが消えるほどの圧力のある守備陣が揃う。日本はカットインを試みても、体を寄せられ、体ごと抱え込まれる場面もあった。

ドイツのUBENに空中でとめられる齋(中央)
亀井良和監督は「開始当初は想定以上に相手の力と硬さで迷いがでてしまった」と振り返る。日本はセンターバックからボールを左右に散らして相手を揺さぶろうとするが、少しでも迷いをみせるとドイツのインターセプトに捕まる。それでも左サイドからの崩しが見えはじめたが得点に至らない。

7mスローにシュートと大車輪の活躍をみせるMALLACH(16)

冷静にゴールを沈めていくHILD(8)
一方のドイツはTill MALLACH(16)、Joshua HILD(8)らが着実にゴールを重ねる。しかし、日本のGK陣も奮戦し、スタメンのGK定野巧(12)、7mスロー時を中心にコートに立つ大崎英人(16)が好守で対抗。後半に出場した水嶋貴一(1)を含めて「選手交代は谷口瞬コーチに任せている。選手の特徴を掴みコミュニケーションを取りながらよくやってくれている」と亀井監督。とはいえフィジカルの差は大きく、齋、津村開(6)、翁孝嘉(18)の3得点にとどまり3-16で前半を折り返す。

試合中にこまめに指示を与える谷口コーチ(右)

シュートブロック後に雄叫びをあげる定野(2)

ピンポイントでHILDの7mスローを止めてベンチに戻る大井

後半途中出場でゴールを守る水嶋(1)。
後半はドイツになれてきたのか、センターバックを津村、齋が変わりながらドイツゴールをこじ開けようとする。坂本州(10)、途中出場の淺井啓太(4)がゴールを決め、さらに齋、津村も前半の倍以上のペースでゴールを重ねる。亀井監督は「当初の狙いを実行できた」と評価し、齋も「自分がやってきたことをだし切ろうという気持ちで頑張った」と語る。
しかし、ドイツは攻撃の手を一切緩めない。2分間退場があれば、10-3とリードしていてもGKを下げてパワープレーを仕掛けなど、勝利へのあくなき執念を見せつけた。最終的には32-10でドイツが勝利した。

この高さ。日本のブロックは、林遼哉(左)、大西康陽(右)
予選ラウンド順位
予選ラウンドグループA
1位 ドイツ 3勝0敗
2位 トルコ 2勝1敗
3位 ブラジル 1勝2敗
4位 日本 0勝3敗
予選ラウンドグループB
1位 クロアチア3勝0敗
2位 フランス 2勝1敗
3位 セルビア 1勝2敗
4位 ケニア 0勝3敗
その結果、21日開催されるノックアウトラウンドは以下の組み合わせとなった。
10:00 クロアチア vs 日本
13:00 フランス vs ブラジル
16:00 ドイツ vs ケニヤ
19:00 トルコ vs セルビア
日本はランキング1位のクロアチアに挑む。「我々がやってきたことを精いっぱい発揮できるように、全力で戦っていきたい」(亀井監督)「ドイツ戦と同じように、いや、そうではなく、もっと強く頑張ります」(齋ゲームキャプテン)と、力強く語った。平日10時開始で試合会場に足を運べない人も多いと思うが、Liveストリーミングもされる予定 だ。
客席もだんだん雰囲気になれ、自然発生的に応援が出てくるようになった。時間が許す方はぜひ、会場で選手たちを後押しして欲しい。

エールサインも客席主導で。声援もともなって会場を覆っていく。



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