10月18日 千葉県成田市の重兵衛スポーツフィールド中台 球技場で第23回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権が開幕、1月31日の決勝ラウンドを目指す21チームの熱戦の火蓋が切って落とされた。
この18日、19日の二日間では12チームが3つのグループに別れて対戦。埼玉T.Wings(第18回王者)、コルジャ仙台(第22回王者)、free bird mejirodai(第19、21回王者)がそれぞれグループトップで準決勝ラウンドへ駒をすすめた。たまハッサーズ、新潟フェニックスファイヤーズ、松本山雅B.F.C.がそれぞれのグループ2位となりワイルドカードによる準決勝ラウンド進出への望みを繋いだ。
翌週の10月25、26日東新小岩運動場 陸上競技場(東京都葛飾区)にて残り2つのグループが参加し、品川CC パペレシアルとA-pfeile広島BFCが1位で準決勝ラウンドに進出。ワイルドカードの3枠は、1位との直接対決での得失点差でたま、新潟、松本山雅、yokohamaが並んだが、松本山雅は初戦のイエローカード1が響いて脱落。埼玉、仙台、mejirodai、品川、広島、たま、新潟、yokohamaが準決勝ラウンドに駒を進めた。以下に各グループ1位、2位の対戦を2回に分けてレポートする。なお各グループの順位は以下の通りだ。
◾️グループA
1位:埼玉T.Wings 3勝0敗 勝点9
2位:たまハッサーズ 2勝1敗 勝点6
3位:大阪ダイバンズ 1勝2敗 勝点3
4位:ファンタス千葉SSC 松戸ウォーリアーズ 0勝3敗 勝点0
◾️グループB
1位:コルジャ仙台 3勝0敗 勝点9
2位:新潟フェニックスファイヤーズ 2勝1敗 勝点6
3位:乃木坂ナイツ 1勝2敗 勝点3
4位:琉球Agachi 0勝3敗 勝点0
◾️グループC
1位:free bird mejirodai 3勝0敗 勝点9
2位:松本山雅B.F.C. 2勝1敗 勝点6
3位:FCコレチーボ静岡 1勝2敗 勝点3
4位:スフィーダ世田谷BFC 0勝3敗 勝点0
◾️グループD
1位:品川CC パペレシアル 3勝0敗 勝点9
2位:Avanzareつくば 2勝1敗 勝点6
3位:ミカーレ岐阜 1勝2敗 勝点3
4位:オガルリーブレ山梨 0勝3敗 勝点0
◾️グループE
1位:A-pfeile広島BFC 4勝0敗 勝点12
2位:buen cambio yokohama 3勝1敗 勝点9
3位:ラッキーストライカーズ福岡 2勝2敗 勝点6
4位:ナマーラ北海道 1勝3敗 勝点3
5位:ソイエ葛飾 0勝4敗 勝点0
(ワイルドカード選出には最下位チームとの対戦結果を外し勝点6として検討)

成田会場に参加した選手、関係者、ボランティア
グループA 埼玉T.Wings 3-0 たまハッサーズ

均衡を破る得点をあげて歓喜する菊島宙(背番号9)
過去4回優勝のたま、1回優勝の埼玉。両者1勝づつで迎えたこの試合。第1ピリオド、埼玉の菊島宙(背番号9/以下同じ)、加藤健人(10)が積極的にシュートを放つがゴールを割れない。残り2分に、左サイドからカットインした菊島宙が8mから右足一閃ゴールを決めて均衡を破る。
第2ピリオドにはいると2分、8分に菊島がシュートを決め3-0とリード。「カトケンがいつになく奮起した」と菊島充監督が語った加藤が攻守に活躍。フィクソに入った元日本代表の山口修一(15)や、晴眼選手の山中優汰(13)、助川裕太郎(8)のディフェンスをたまの黒田智成(5)は「きつかった。晴眼の2人もよくトレーニングしていて、一度触れたら離れないプレーができる」と振り返った。

埼玉のユニフォームを着るの久しぶりの山口修一(15)
3試合終えた菊島監督は「(2年ぶりの準決勝ラウンドを見据えて)相手がどのチームであろうと勝てるように自分たちのプレーをする。そのために、相手に合わせるようなプレーがでないよう伝える」とコメントして競技場を後にした。去年の予選敗退の雪辱を果たせるか期待したい。

攻守に躍動した加藤健人(右)のシュート
グループB コルジャ仙台 3-0 新潟フェニックスファイヤーズ

1点目を決めた斎藤陽翔(左)とガイドの野田哲史。斎藤はチーム得点の7点中5点を決めた
両チームとも2勝無失点で迎えた最終戦。勝った方が準決勝ラウンド進出が決まる。仙台は昨年優勝した後に「やり尽くした感をもつ人もいた。色々と模索する中、チーム体制が固まらないまま初戦が来た(キャプテン日景淳也談)」がなんとか2勝してこの試合を迎える。前2戦と違いセンターガイド、ガイド、フォーメーション、戦い方を去年の決勝戦と同じに戻して試合に入った(佐藤亜希子監督代理談)。

仙台の前に立ちはだかった強化指定の神山昌士(右)
第1ピリオドは仙台の斎藤陽翔(10)、石川竜誠(36)が積極的にシュートを放ち優位に進めるも日本代表強化指定AのGK 神山昌士の壁をなかなか崩せない。先制は8分過ぎ。右45度から放った斎藤の5本目のシュートがファーサイドに決まり1-0と仙台がリード。残り3分には佐藤翔(7)が右サイドから電光石火の一撃をファーサイドに決めて2-0で試合を折り返す。第2ピリオドは6分に佐藤翔が左からカットインしながらダメ押しの3点目を流し込んで試合を決めた。

体脂肪率7%台だった時もあると語る搾られた肉体から強烈なシュートを放つ佐藤翔
試合後に佐藤監督代理は「うまく回らないところもあったけれども、選手間で話す会うことを徹底してきた。それが最後にはうまくはまった」と選手の自主性を強調した。去年の優勝後、優勝報告会、地域リーグと仙台に伺い色々な選手に優勝の達成感、戸惑いなどを取材してきた。改めて日景キャプテンに今回の目標を伺うと「連覇です。色々と模索しながら目指している」と吹っ切れた言葉が返ってきた。2016年の15回大会のAvanzareつくばを最後に連覇したチームはいない。仙台がその壁を破ることができるか注目だ。
グループC free bird mejirodai 3-0 松本山雅B.F.C.

先制点を挙げて雄叫びをあげる園部優月(中央7番)
去年に引き続き同じグループにはいったこの2チーム。前回は2戦し0-0、3-2でmejirodaiが勝利した。今回は落合啓士(14)監督が6年ぶりに選手復帰してフィクソにはいったのが変化点。「ピッチ内で両アラの位置を把握しながら指示ができる、こぼれ球を拾うこと」が目的と語った。息子さんがサッカーに興味をもってきたので一緒にボールを触る回数が増えてきたこともあり、mejirodaiとの試合が決まってからは準備してきた。mejirodaiは前回スタメンの島谷花菜に代わり復帰した丹羽海斗(2)がアラに入り、それ以外は両者とも前回と同じメンバー(mejirodaiが鳥居健人(11)、園部優月(7)、丹羽、北郷宗大(9)、泉健也(33) GK。松本は落合、中澤公博(10)、平林太一(9)、清水冴恭(8)、吉村恒祐(1) GK。)でキックオフ。松本も前回同様に1-2-1を崩さずmejirodaiの攻撃を弾いていく。攻撃も平林に一任。落合監督は「責められっぱなしでいいのか?」と10分過ぎたところに平林を煽ったが、松本から仕掛けることはない。試合は残り1分、パスを右サイドでうけた園部がカットインからシュートを放ち先制する。

持ち上がろうとする平林(9)を、ピヴォの北郷、アラの丹羽で素早くケア
第2ピリオド、平林がドリブルで攻撃を仕掛けるも丹羽、鳥居に抑えられて思いようにプレーできない。山本夏幹監督が「トランジションが1番のリスク。守備が良かったので攻撃に繋がった」と語るように完璧に平林を抑えた。攻め口が見つからない平林は40秒ルール(40秒間、自陣内でボールをキープし攻撃の意思を見せないこと)で相手に間接FKを与えてるシーンもあった。「2点目を失うのが少し怖かったかな」と平林は振り返った。ワイルドカードでの進出を考えた時に少しでも失点を少なくと考えたのだろう。3分に右サイドから、7分に左サイドから北郷に決められて3-0。その後、落合監督がスライディンからイエローカードをもらう状況も。残り5分で監督自ら1列上がって攻撃に活を入れようとしたが不発。「チームとして気持ちの上で課題があった」と落合監督は振り返った試合はmejirodaiが組織力と個の力を合わせて勝ちきった。

守りでは存在感を出した落合監督(14)。右は北郷(9)
こちらに続く。



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