ブラサカウィーク in うめきた 六日目:女子決勝はアルゼンチン対日本に

Blind Football
第2ピリオド13分ゴールを決めベンチに駆け寄る島谷、藤田、竹内、西山、彌冨(ガイド)、若杉

ブラサカウィーク in うめきた 六日目は女子の準決勝の二試合、アルゼンチン対イングランド、日本対オーストラリアが行われた。その結果、24日に開催される決勝はアルゼンチン対日本、3位決定戦はイングランド対オーストラリアのカードに決まった。

準決勝:アルゼンチン対イングランド 点取り屋を欠くアルゼンチン、苦しみながらもPK戦を制す

感極まるメディナ(右から2人目)を労わる欠場したエースアギラル。

先日のオーストラリア戦で負傷したジョアナ・アギラル(背番号10)抜きで戦うことになったアルゼンチン、キャプテンのグラシア・ソーサ・バレネチェ(背番号8)とアグスティナ・メディナ(背番号4)が中心となって攻撃を組み立てる。ソーサ・バレネチェ(背番号8)が左フェンス際を上下動し、カットインからゴールを狙うが、固いイングランドの守備に阻まれ、なかなか枠を捉えられない。

陸上のパラリンピアでもあるソーサ・バレネチェのシュート。

これはというタイミングもGK正面に。手元集計だが第1ピリオード、メディナ(背番号4)が主に左から8本、ソーサ・バレネチェが主に右から7本シュートを放つも枠内シュートは少なく、0-0で終わる。

アギラルの位置に入り、今大会の初めて40分フルに戦ったメディナ(中央/背番号4)。

細かい方向転換で守備を翻弄するソーサ・バレネチェ。

第2ピリオドもアルゼンチンがイングランドゴールに襲いかかり、メディナとソーサ・バレネチェで合わせて22本のシュート放つ。特に残り3分台のソーサ・バレネチェ、メディナの連続シュートは枠内に飛ぶも、フットサルUK代表でもあるアリシア・グリモンド(背番号1)が立ちはだかる。イングランドのストライカーサマンサ・ゴフも10分前後に二本シュートを放つもアルゼンチGK、ミカエラ・セゴビア(背番号12)に防がれ、その後は攻め手に欠き、0-0で40分を終える。

イングランドの攻撃を引っ張ったゴフ(中央/背番号9)

昨日の日本対タイに続いてPK戦へ突入。先行のイングランドは最初のキッカー、サマンサ・ゴフがゴール右にビシッと決めて1-0。それから両チームとも決められず、アルゼンチンは3人目に登場したソーサ・バレネチェが左下に蹴りこんんで1-1とする。二週目にはいり、6人目となるゴフのシュートは力無くGKミカエラ・セゴビアがしっかり抑える。アルゼンチン6人目のギジェルミナ・コラレス(背番号14)が最初のコースの右側真ん中から下のコースを狙って決め、薄氷を履む思いで決勝に駒を進めた。

サドンデスのPKを決めて歓喜を爆発させるコラレス。

監督のゴンザレス・アチャチェは「勝てて嬉しかった。(けがでアギラルを欠くので)まず動揺しないよう選手たちのメンタルのケアを行った。守備から入り、イングランドの9番の選手をケアしながら自分たちのサッカー、パス・ポゼッションサッカーをするよう心がけ、攻撃につなげた。(アギラルの位置に入った)メディナがたまたま、不調だったので、ゴールは奪えなかったが。(第2ピリオドの後半)メディナをより前に置き、彼女にボールを集めるようにした」。彼らの目標は10月の世界選手権での連覇。「世界王者なんだから、他のどこよりも練習すること。常に1番を目指してやり続けるだけだ」と高いモチベーションを語った。

準決勝:日本対オーストラリア 島谷の二発でオーストラリアを撃破!

今大会日本の全得点を叩き出した島谷(背番号13)

この試合の鍵は日本の攻撃陣が、オーストラリアの守備をどう崩し、GK デュモントを攻略するか。インタビューを受けた島谷花菜(背番号13)は「積極的に攻撃に関わり、相手に捕まりそうだったら早めに逆サイドにいる選手をどんどん繋いでいって味方を信頼し合って少しずつやっていこう」「攻撃の時間を長く持ってボールを大切に扱うっていうところを意識した」と語る。

日本のダイナモ 竹内(背番号7)が黙々と前にボールを運ぶ。

その言葉通り前回0-0で引き分けではみられなかった右の島谷と左の西山乃彩(背番号9)の間のパスが頻繁にみられた。手元集計で1ピリオドあたり十数回の交換を行っていた。シュートに関しては、第1ピリオド、島谷、西山、ピヴォの竹内真子(背番号7)がかえすがえすシュートを放つが、なかなかゴールを割ることができない。

第2ピリオド4分、GKデュモントがゴールエリア外でプレーしたことによるPKを蹴る西山。惜しくも左にはずす。

島谷は「同じ高さでのシュートが続いたので、そこをもうちょっとずらしては」と山本夏幹監督のアドバイスがあったことを明かす。

タイムアウトで島谷にアドバイスを送る山本監督。

そのアドバイスが奏功し、第2ピリオド13分、右45度でカットインした島谷が、ゴールニアサイド上にシュートを放つ。デュモントの裏をかくゴールで1-0とリードする。カタールワールドカップでの浅野琢磨がノイアーを破ったゴールを連想させるシュートだった。続け様に1分後、今度はグランダーで同じくニアサイドを打ち抜き2-0。試合を決めた。その後も、しっかり試合をコントロールしてタイムアップ。決勝への駒を進めた。

しっかりボールを守る若杉(背番号14)。次のアルゼンチン戦はもっと忙しなる。アグレッシブな姿を期待したい。

女子の決勝展望

初の女子ワールドグランプリ2025 in うめきたも残すところ後1日。女子の決勝戦はアルゼンチンと日本の間で繰り広げられる。アギラル、菊島宙と両チームのエースストライカーが出場できないのは残念だが、PK戦を乗り越えたアルゼンチン、徐々にチームとして噛み合ってきた日本、非常に見応えのある試合が予想される。日本が勝利を収めるにはチームとしてどこまで噛み合うのかが一つのポイントだろう。島谷が右サイドで対峙する大柄のメディナを如何に交わしてゴールに迫ることができるか、西山が対峙するソーサ・バレネチェを抑えつつシュートが放てるか。竹内がセンターでうまくボールを収めるゴールを決めることができるか、若杉遥(背番号14)が思いっきりよく相手にあたれるか、GK藤田智陽がどこまでディフェンスをコントロールできるか。悪天候が予想されるが、それに動じることなく40分、全試合出突っ張りの中、体力的にも厳しいだろうが、走り切って欲しい。そんな彼女たちを我々は声援で後押ししよう。ぜひ、可能な方は会場まで。

5/24 女子決勝、3位決定戦
12:30 3位決定戦 オーストラリア対イングランド
16:30 決勝戦 アルゼンチン対日本
5/25 男子決勝、3位決定戦
12:30 3位決定戦 コロンビア対タイ  
16:30 決勝戦 アルゼンチン対日本

日本のコーナーキック。キッカーは西山。竹内がボールをおさえる。

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